【体系基礎英文法 第34講】受動態(Passive Voice)

■ 1. 受動態の基本構造と作り方

受動態は「〜される」という意味を表し、be動詞 + 過去分詞(+ by 行為者) の形で作ります。能動態の目的語(O)を主語(S)の位置に移動させることで作られます。

(1) 能動態: Many people (speak) English.
       S V O

(2) 受動態: English (is spoken) by many people.
      S V(受動) 行為者

講義ポイント①
受動態を作れるのは目的語(O)を持つ他動詞の文だけです。目的語がない自動詞の文は受動態にできません(4節で詳述)。

■ 2. 第4文型・第5文型の受動態

(1) 第4文型(SVOO)の受動態

目的語を2つ持つ第4文型は、どちらの目的語を主語にするかで2通りの受動態が作れます。

(1) 能動態: He gave (her) (a ring).
      S V O1 O2

(2) 受動態(O1を主語に:一般的):She was given a ring (by him).
(3) 受動態(O2を主語に:前置詞を補う):A ring was given (to her) (by him).

(2) 第5文型(SVOC)の受動態

補語(C)はそのまま残ります。

(1) 能動態: We elected him captain.
(2) 受動態: He was elected captain.
      S(元O) V(受動) C(そのまま残る)

■ 3. 群動詞の受動態/by以外の前置詞を使う受動態

laugh at(〜を笑う)、take care of(〜の世話をする)のように複数語で1つの他動詞として働く群動詞は、受動態にしてもひとまとまりのまま扱います。

Everyone (laughed at) him.
→ He (was laughed at) by everyone.
 (彼はみんなに笑われた)

また、動作主よりも「状態」を表す一部の受動態では、byではなく特定の前置詞を使う慣用表現があります。

be interested in  〜に興味がある
be satisfied with  〜に満足している
be covered with/in  〜で覆われている
be surprised at/by  〜に驚いている
be known to     〜に知られている(人に対して)
be known for     〜で知られている(理由・特徴)
be made of      〜でできている(材料が見た目でわかる:物理的変化なし)
be made from     〜から作られる(原料が見た目でわからない:化学的変化あり)

■ 4. 差がつく識別ポイント:自動詞は受動態にできない

英検・TOEICで頻出の誤答パターンが、自動詞を無理に受動態にしてしまうミスです。「〜が起こる」「〜が現れる」といった意味の自動詞(happen, occur, appear, rise, disappear など)は目的語を取らないため、受動態にできません。

✕ The accident was happened yesterday.
◯ The accident (happened) yesterday.(事故は昨日起こった)

✕ Prices were risen sharply.
◯ Prices (rose) sharply.(物価は急激に上昇した)

講義注釈
riseとraise、lieとlayのように、自動詞と他動詞が似た形で存在する紛らわしい動詞のペアは、正誤問題の頻出テーマです。「〜を上げる」という他動詞raiseなら受動態raisedが可能ですが、「〜が上がる」という自動詞riseは受動態にできません。

■ 5. 実戦演習問題

問1 The Nobel Prize ( ) to him last year.
 ① was awarded
 ② awarded
 ③ has awarded
 ④ awards

問2 She ( ) a beautiful bouquet of flowers by her students.
 ① gave
 ② was given
 ③ has given
 ④ gives

問3 This mountain is ( ) with snow all year round.
 ① cover
 ② covering
 ③ covered
 ④ to cover

問4 A strange noise ( ) from the basement last night.
 ① was heard
 ② heard
 ③ was happened
 ④ happened

問5 He is well ( ) for his generosity.
 ① known to
 ② known for
 ③ known of
 ④ known at

■ 6. 解答と構造解説&講義注釈

問1 正解:① was awarded

「ノーベル賞が彼に授与された」。award(〜を授与する)は他動詞で、受動態が可能。

The Nobel Prize (was awarded) to him last year.

問2 正解:② was given

第4文型give(人)(物)の受動態。「彼女は生徒たちから美しい花束を贈られた」。O1(her)を主語にした形。

問3 正解:③ covered

be covered with「〜で覆われている」。byではなくwithを使う頻出表現。

問4 正解:① was heard

自動詞happenを受動態にした③was happenedは誤り。「物音が聞こえた」という意味では他動詞hearの受動態was heardが正しい。noise(物音)は「聞かれる」側。

問5 正解:② known for

be known for「(理由・特徴)で知られている」。彼の寛大さ(generosity)という理由を表すのでfor。known to(人に知られている)との識別がポイント。

今回のまとめ

  1. 受動態は他動詞の文のみ作れる。be動詞+過去分詞(+by行為者)の形。
  2. 第4文型はO1・O2どちらも主語にでき、第5文型は補語Cがそのまま残る。
  3. 群動詞は受動態でもひとまとまりのまま扱い、状態を表す受動態はby以外の前置詞(in/with/at/toなど)を伴うことが多い。
  4. happen, occur, appear, riseなどの自動詞は目的語を取らないため、受動態にできない。

復習チェックリスト

☐ 受動態は目的語を持つ他動詞の文だけ作れることを説明できるか?

☐ happen, occur, appear, riseなど目的語を取らない自動詞は受動態にできないことを説明できるか?

コメント

タイトルとURLをコピーしました